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種のおすそわけ(1)

サヤが紫色に膨らんできました。この5月から

新たな取り組みをスタートすることになりました。

時間をかけてじっくりと楽しんでいきたと思います。

 

 

わさび農家の小さなプロジェクト

【種のおすそわけ】 

 

身近な里山に種をまいて、ワサビ野づくり

してみませんか?おいしく親しみながら、

里山、ワサビを未来へ繋ぎましょう!!

 

ワサビ田の周りには、こぼれた種から繁殖した

ワサビがたくさん自生しています。すりおろす

根部は太くなりませんが、春になると緑鮮やか

葉をどんどん展開させます。このようにワサビは

「土」でも育ちます。そもそもワサビは日本原産

の植物であり、古来より山に自生していました。

(その起源は500万年前とも言われています)

山に自生しているものや、畑で栽培したものを

「山わさび」「畑わさび」「葉わさび」などと

呼び、主に葉や花、その茎の部分を利用します。

但馬地方にも葉ワサビを楽しむ食文化がありま

すが、近年は環境の変化や鹿の食害などにより、

里山のワサビがどんどん減り続けています。

 

ワサビ田の溶岩上に種がこぼれ、芽を出すワサビ。

 

ワサビ田を囲む丘に種がこぼれ、広がったワサビ野。

 

まずは消えてしまえば二度と手に入らない、地域

野生種や在来種を守りましょう。「外」から栽培種

などを導入する場合は、交雑する恐れもありますの

で注意しなければなりません。交雑の原因となる

ミツバの飛行範囲は半径2劼噺世錣譴討い泙垢里如

ぜひこの機会にワサビがないか探してみましょう。

もちろ身近にはなかなか出会えるものではなく、

鹿の食害によって消滅した場所ではやはり栽培種を

導入するしかありません。ただ、栽培種だからと

言って簡単に手に入るものではありません。そこに

ワサビならではの難しさがあります。ワサビの種

乾燥にとても弱く、発芽にもバラツキがあること

から、種採りや貯蔵方法は他の作物とは全く異ります。

また、ワサビの栽培そのものが難しいことから、種や

苗は一般向けにはほとんど販売されていません。

 

農家は選抜したわずかな株からしか種を採りません。

その他の種は地面にばらまかれ水の中へ消えていき

ます。ワサビ野づくりにおいては、誰でも簡単にでき

る「とりまき」を広めていきたいと考えています。

これは5月下旬に熟したサヤ(種)を採り、すぐに

サヤごとまくという、昔から行われてきた最も自然に

近い方法です。自然のワサビの種はすぐには発芽し

せん。土の中で種はさらに熟し、サヤは腐りやが

だけになります。翌年3月中旬〜4月、春の気配

感じると種が眠りから覚めて発芽します。農家は

採りから苗作りまで様々な工程を踏みますが、「と

まき」はほぼ自然に任せてそのまま繁殖さる方法です。

 

ワサビ田には無数の種ばらまかれます。

 

サヤには6〜10粒ほど種が実ります。

 

「標高300m以上の山林、北か東向きの傾斜地、

そして、そばに川が流れているような場所」。畑ワサ

ビの栽培にはこのような環境が理想とされていますが、

身近に林地や畑地があればどんどん試してみましょう。

ただし、ワサビは強い日差しを嫌いますで、雑木、スギ

など林間の遮光を利用します。暗くなり過ぎても育ちが

悪くなりますので、ある程度光が入るように間伐や枝打

ちを行います。肥沃な土壌で、じめじめ湿り気があれ

ば土質は選びません。草木が青々と茂り、フキなどの

山菜類が自生している場所が理想です。家の畑や庭など

でも小さなワサビ野を作ることができます。柿や栗、

庭木の下など、昔の人は上下のちょっとした空間をう

まく利用してフキなどを育ててきました。夏には葉が

茂り、冬には葉が落ちて日当たりを然に調節してく

れる落葉樹の下が理想です。

 

60〜70%の遮光が理想と言われています。

 

アジサイの木の下に広がる小さなワサビ野。

 

収穫までにかかる期間は、自然条件はもちろん栽培

方法によっても大きく異なります。肥料を与えて大

きくする畑ワサビの栽培でも収穫までには2年かかり

ます。60年ほど自家採種をしているわが家のワサビは、

栽培種と言っても改良されたものではなく、生育には

バラツキがあり生産性もあまり高くはありません。

ましてや自然のままの土壌(無肥料)で育てるとなお

さら時間がかかり、最初の数年は一株から花ワサビと

葉ワサビを数本摘む程度のものになります。それなり

の収穫量を目指すなら、やはり畑ワサビとして栽培し

ますが、なるべく環境に優しい技術を取り入れましょう。

渓流沿いなどにちょっとした水辺があれば、小石を拾い

集めて小さなワサビ田を作り、苗を移植して「沢ワサビ」

として根部の収穫をぜひ目指して下さい。 

 

gthnktkううyいzn「とりまき」して、翌年3月中旬に発芽、現在の様子。

 

時間はかかりますが1株でもしっかりと根付けば、

元から新たな株をどんどん増やして自然に繁殖して

いきます。毎年3月下旬〜4月上旬には花ワサビ、

4月中旬〜5月上旬には葉ワサビが旺盛となり、ワサ

ビ漬けや天ぷらなど旬の味を楽しむことができます。

花を摘まなければ種が実り(充実した種ができるかど

うかわかりませんが)、5月下旬〜6月上旬に「とり

まき」して毎年少しずつワサビ野を増やしていくこと

もできます。「美味しいワサビはあるから山に入る」。

環境に神経質なワサビを育てるということは、里山の

手入れにもなります。

 

時間はかかりますが、大きな株に成長します。

 

根こそぎ収穫しないで、摘みながら楽しみます。

 

日本列島の約7割は山間部が占めており、ワサビが育

つ環境は無数に存在します。たくさんの人の手によっ

て種をまいてもらい、小さなワサビ野を再生していく。

鹿の被害が避けられない場所では、やはり柵などで囲

って保護するしかありませんが、このような遊びをこ

こから各地に広めていきたいと考えています。

 

 

「種のおすそわけ」は、2016年にワサビ田の丘や

屋敷でスタートしたばかりでまだまだ試行錯誤の段階

ですが、いろいろな方々とのご縁により各地で進め

いく予定です。林業や有機農業ご関係者様など

各方面からのご意見やご指導も宜しくお願いいたします。

毎年5月下旬にかけて種をおすそわけすることができ

ますので、一緒に取り組んで頂ける方を募集しています。

ご興味のある方はメールにてぜひお問い合せ下さい。

100年先の未来へ種をまき、ワサビのある里山の

原風景と食文化を次の世代に繋いでいくのおすそわ

けがこのようなきっかけ作りになれば願っています。

 

■わさび農家 北村わさび 北村宜弘

メール:info@kitamura-wasabi.com

 

| 種のおすそわけ | 06:45 | - | - |
苗作り(18)


2010年から新たにはじめた育苗ですが、

水の管理など改善しながら、この秋まきは

今までにない出来となりました!
| わさび | 16:21 | - | - |
苗作り(17)


9月から秋の種まきです。



水の管理が課題でしたが、



今回からこのような装置を



父が作り、うまくいきそうです。
| わさび | 21:40 | - | - |
苗作り(16)


連日、猛暑が続いていますが、春にまいて、



7月に仮植した苗、この暑さでも順調です。
| わさび | 13:10 | - | - |
苗作り(15)


はじめての春播きです。まあまあでしょうか。
| わさび | 14:45 | - | - |
苗作り(14)

種を播いて収穫まで、結果が出るまで2年



かかりますが、この方法で良いものが収穫で

きており本当にうれしい限りです。秋の苗も

まあまあで、仮植も終盤、今回から「春まき」

もはじめるので、今週末から種播きです。

| わさび | 03:00 | - | - |
苗作り(13)


今回からワサビ田ですべての苗を作っています。



秋に播いたもの。いまいちな場所もありますが、

これだけできていれば十分!水管理など実験をし



ながら。これからも工夫をし精度を高めていき



たいと思います。先週から仮植も始まり、春に向け

てまた忙しくなります。今日からまた寒波のよう。
| わさび | 06:07 | - | - |
苗作り(12)
秋の種まきは朝、無事終わりました。次は春です。



父が作った穴あけ。一気に穴を開けることが可能に。

その穴の中にピンセットでゴマ粒大の種を一粒ずつ。

新しい方法で2年目、作業も順調に終わりました。



最初に播いたもの、芽も出て今のところまあまあです。

昼からピンセットで草を抜いて、1つの穴から2、3本・・・

誤って何粒も播いているものがありそれを間引きしたり。
| わさび | 16:30 | - | - |
苗作り(11)

種をまき、苗を作り、定植し、新しい苗の試みから

約2年、ようやく初めての収穫、1回目の結果は・・・・・



見事に良いのができました!今日から種まきです。

| わさび | 12:25 | - | - |
苗作り(10)
 

苗作りの準備が始まりました。腐葉土も良い感じです。



今年からハウスでの育苗はやめてワサビ田で一本化。

今日は、苗床に溜まった泥流し、週末から種まきです。
| わさび | 16:41 | - | - |
苗作り(9)





何回も書いていますが、苗が良くできています。

| わさび | 18:42 | - | - |
苗作り(8)

ワサビ田で種から育てるオリジナルな苗作り、

昨年秋から本格的に取り組み冬に仮植、その苗が



順調です!なかなか良い苗ができています!



4月3日から定植を始め、秋まで順次定植していきます。



5月24日、苗もどんどん大きくなっています。



大きくなった苗から間引いて定植していきます。



病害も全くなく、太く、かっちりしています。



最終的には収穫してみないとわかりませんが、

種まきから結果が得られるまで2、3年かかります。



椅子に腰かけ、手鍬で植えていきます。

| わさび | 05:14 | - | - |
苗作り(7)


ここでの苗作りはこれで最後になりそう。





種まきのときに、木枠の外にこぼれたものが、



こんなところでも立派に育っています。





こちらはワサビ田での苗作り、芽を出しています。
| わさび | 06:51 | - | - |
苗作り(6)

2月に入ると、田のあちこちで目にするワサビの双葉。



冬は休眠していた「こぼれ種」が春の気配を感じて

目覚め、芽生え、双葉が地上に姿を見せています。



ワサビ田を構成している大きな溶岩上に集団が点在。



通路の側面に1本だけ、こんなところでも発芽。



苔やワサビの葉っぱ(腐り土となった)などが発芽の

条件を作り、厳しい環境ですがなんとか発芽、どこか



赤みを帯びて痛々しい、でも自然らしく強さも感じます。

自然の発芽はほぼ春ですが、秋にも見られ、タイミングを

ずらしながら発芽。これも生き残るための戦略のひとつ。



茶色いのが種の皮、今まさに皮を破って芽を出すところ。



3月9日、そんなワサビ田の自然の双葉を感じながら、



春の種まき。これからどんどん暖かくなっていくので、

ハウスだと春からの苗作りは厳しくなりますが(5年前

までやっていましたが)、ワサビ田だとできるのでは

ないかと思っています。「春まき」の復活。



これは昔の写真ですが、ピンセットで一粒づつ

等間隔に播いていきます。これがうまくいけば、



秋から春にかけて種をまくタイミングをずらすことで

苗の期間も長くなり、全体の作業も分散できそうです。

| わさび | 05:44 | - | - |
苗作り(5)

ワサビ田での苗作りはまだ2年目。ありがたいことに



出だしは順調で、これも湧水の恩恵があるからこそ。

寒い時には温かい、暑い時には涼しい、苗を作れる



期間も長くなり、安定した水量と水温が安定した環境と

栽培を可能にしてくれる、まさに恩恵農法とも言えます。



底面には湧水が絶えず流れていて、上流(写真右側)

ほど大きくなります。上流から苗を取り、下流の苗を箱

ごと上流に移動させる、こんなことも可能になりました。



種まきから種採りまで、ワサビ田の自然の中にある、

完結できる、この中にこそ本当の安定があるのかも。



まだまだ課題だらけ、でも自然のもの、わからないもの、

今回も発見がいっぱいで、やっぱり農業はおもしろいです。

苗作りに限らず「水」をどこまで生かすことができるのか。

これからも良いものをお届けできればと思っております。

| わさび | 04:47 | - | - |
苗作り(4)



そして種まきから2、3カ月後、苗が取れる時期に!



見た感じは良さそう、果たしてどんな出来具合なのか、





底面では水が動き、育苗箱からは根が出ています。







太く短く、根張りが良い、これが良苗の基本条件です。



なかなかの出来?!土に根がびっしり!水に浸けて土を

洗い落としながら苗を取る、泥だらけの作業になりました。







使った土は畑(家庭菜園)に還して再利用、贅沢な土だと。



太く短い丈夫そう、自然らしい苗だと思います。育苗土に

張り巡らしたふわふわの細根の塊、これがたまりません。













これはまた違う方法(セル)の苗。これも良い感じです。



これは「水」の上ではなく、溶岩に生えたフカフカの「苔」の上



(育苗箱を置いただけ)で育てたもの。この苗も良い感じ!

ここは繁殖がひどく、あれだけ悩まされていた苔も利用できる、

苔の価値も180度変わってしまう、農業はおもしろいです。

これが実用化できるのかは別として、おもしろい結果でした。









今年は全て同じ育苗土、水上、苔上、セルの3通り、来年は?



良い苗ができると、大変な仮植作業もあまり苦と感じません。



12月頃から溶岩(水)に移植してさらに定植苗に仕立てます。







今年は記録的大雪。写真は2月2日の大雪、仮植場所に

これだけ積もったのは初めて、翌日には解けていましたが。



そして現在の様子です。なかなか順調に育っています。



春に向けぐんと成長?どんな苗ができるの楽しみです。

| わさび | 05:20 | - | - |
苗作り(3)

ワサビ田での苗作り、昔から連綿と蓄積されてきた日本の

農業技術、今はそのデータベースに簡単にアクセスできる

のでとてもありがたいです。いろいろな文献資料を参考に、



2010年秋に83通りの実験栽培を敢行、そのなかの

ひとつが他にはない生育を見せ、大きな手ごたえを感じ、



写真はその苗を仮植した定植苗(大きくなりすぎですが)、



2011年はこれでいこう!と秋からの本格的な種まき、



苗作りに向けて、夏から準備を始めました。溶岩をどかし、



小屋を立てました。基本的にワサビ田には石と水しかなく、



土がないと種はまけません。そのまま土を入れるわけ



にはいきませんので、今までの育苗方法と合体させた



ような感じで、パイプの上に育苗箱を乗せ、その底面に

湧水が流れる仕組み。理想とする良いものができるのか、



より多くの種をまき、より多くの苗を確保できるのか、

環境作り、育苗方法の確立に向けて新たな試行錯誤が。



肝心な育苗土もいろいろな材料、方法で実験しました。

神鍋周辺で集めた落ち葉で作った腐葉土をベースに、

他6種類で構成しており、肥料などは入っていません。



昨年秋、作業場で種まき、ワサビ田に移しました。



そしてきれいに発芽しました!スタートは好調!



















良い感じで育っています!苗取りが楽しみです。

| わさび | 06:05 | - | - |
苗作り(2)

「三つ子の魂百まで」と言われるように、農家にとって

栽培の基本となる苗作り。実生による
苗作りは55年、

今でも苗は100%自給しています。昔のアルバムには

試行錯誤してきた苗作りの様子が多く記録されています。



昔はワサビ田、屋敷の周辺、畑や露地での育苗でした。

















1972年からハウスの建設、コンクリートで苗床を作成、



ワサビ田から水を引き、地中から灌水する独自の
方式を



取り入れました。5年前からは木枠の苗床(底は土)に。

私はハウスでの苗作りしか知りませんが、長所、短所、

課題がいろいろあるなか、なんとか続けてきた感じで、




近年は天候が不安定で、特に温暖化は涼しい環境を




好むワサビには致命的で、逆に極寒の早朝は苗が



カチカチに。その他、土の管理など今までの方法では

不安定で課題もたくさん、行き詰った感がありました。


何か変化がほしいと思っていたところ、栽培をやめた

ワサビ田が大きな転機になりました。
祖父と父、父と

自分と共に、苗作りも試行錯誤、
変化しながら続いて

います。

| わさび | 04:40 | - | - |
苗作り(1)

ワサビ田での苗作り、記録していきたいと思います。



作物から自然に落ちる「こぼれ種」、そこから芽生える



植物をこの辺り?では「あだばいの○○」と言います。

あだ(地面)、ばい(芽が出て生える)が由来みたいで、

この自然苗とも言えるワサビ田の「あだばいのワサビ」、

やっぱり水ワサビ(土で育てたものは畑ワサビと言う)は

「水」が命、畑やハウスで育ったものとは違って、単純に

水ワサビらしい、自然らしい、これにとても魅かれます。

大きくなり花が咲き、ワサビ田で「種」が循環しています。



この「らしい」にどこまで近づけるか
、近づくと言うよりも

この自然苗から考える。農家の仕事、やるべきことは

とても単純で、
環境を整える、そしてたくさんの種ををまく、

こぼれ種からスタートして
、迷えばまたここに戻ればいい。



これは土手に落ちたこぼれ種が生き残り、昔から

ずっと繁殖を繰り返し、生き続けているワサビです。

土手の下は収穫後のワサビ田で水が流れています。

水と土、自生(手を加えない)と栽培(手を加える)、

同じワサビでも違っています。ワサビ田に2つが共存、

2つの視点からいろいろ考えてみると面白いです。



栄養繁殖と種子繁殖、2つの方法で子孫を残していく植物。

それは作物も同じ。昔は近くの山から自生のワサビを採って

きて、株を分けて栄養繁殖だけで栽培、増やしていましたが、

これを繰り返していくとやがて
退化してしまい、またどこからか

探して採ってくるの繰り返し。
そんなある時、父が高校生の頃、

小池山のゴミ捨て場(収穫時に出るワサビのクズを捨てる)で、



種から
芽を出している自然苗を見つけ(写真は昔の

アルバムから「山間の山葵」)、これを
ワサビ田に移植

すると今までにない良いものが
できて、そこから祖父と

父とで、
種から増やす種子繁殖の取り組みが始まり、



やはり「こぼれ種」が始まっている
。同時に「ダルマ種」を

取り入れ、
土地の湧き水、気候風土に合った品種を作り、

栄養繁殖と種子繁殖で55年ほど今の種を守っています。

| わさび | 06:33 | - | - |