ミツバチ(9)

そしてすぐに、捕獲できた巣とミツバチを車

に積んでうちから移動します。どこに行くか

というと、巣があったお墓から2キロ圏外へ。

日本ミツバチは巣から2キロ圏内で花粉や蜜

を集めるため、その圏内に移動したのでは、

巣があったもとのお墓に戻ってしまい、ミツ

バチも迷い行き場を失います。そこで3週間

〜1カ月は2キロ圏外の、全くの新天地に巣

箱を置いてもとの場所を忘れさせる、リセッ

トさせる工程が必要なわけです。ということ

で、神鍋方面のある方にお願いして、巣箱を

置かせてもらいました。新しい巣箱に針金で



巣を串刺しにしてぶら下げます。そしてミツ

バチを巣箱に近づけ、塊を手でそっと入口に




持っていくと、どんどん入って(ほんとにお



りこうさん)巣箱の中に全部収まりました。

作業はこれで終わりではありません。とりあ

えずうちに帰ります。お墓のもとの巣の1/3

ほどのミツバチは、蜜を集めるために巣から

出ていましたので(巣に戻ってくるのに1.5

時間ほどかかる)、夕方になるとそのミツバ

チがお墓にたくさん戻ってくるわけです。で

も巣はもうありませんので、そのミツバチを

掃除機で集めて、また移動先に車で持って行

き、巣箱に収めます。こうして自然巣の駆除

捕獲は1日かかり、大変な作業でありました。

無事に終わりましたが、すぐに逃げてしまう

可能性もあり、そのまま居ついてくれる確率

は6割ほどだそうです。

ミツバチ(8)

さて、分峰群は捕獲できましたが、あとひとつ

大変な作業があります。でもこれは素人には難

しいのでプロの方にお願いしました。お墓の持

ち主は最終的には駆除を希望されており、駆除

だけなら何とかできそうですが、駆除した巣を

保護して巣箱に移して飼育するという、「駆除

捕獲」を行います。6月28日、大阪からこの

作業のために来ていただきました。お墓の中の

納骨室は、外敵からも身を守れる(スズメバチ

など)、冬は暖かく、夏は涼しく、ミツバチに

とって最高の環境で、好んで巣を作るようです。



入口を開けてみると、天井からぶらさがって底

までびっしり!とっても大きな巣でした。巣は



どんどんはがされ、最後は底のほうまで手がぎ



りぎり届くかどうか。ミツバチは掃除機を改造

された特別な装置で吸い込んで、生きたまま回

収されていきます。弱らないように直射日光を

避け、慎重な作業が続きます。取り除かれた巣



は、蜂蜜として採るもの、そして巣箱に移すも



の(育児が行われていた幼虫が入っている部分)

に選別されます。3時間ほどかかりやっときれ



いに取り除かれ、巣とミツバチの捕獲ができま

した。またお墓に巣を作る可能性が高いので、

納骨室への隙間(入口)はきっちり塞ぎます。

ミツバチ(7)

巣箱の準備ができたのが5月14日、分蜂はこ

れからなのか、もう終わったのか、でもこの時

期に1〜3群ほど発生するらしく、まだ可能性

はありそう。分封したミツバチが、ランや蜜蝋

に引き寄せられ女王蜂がこの巣箱で良いとなれ

ば、天板から巣を作ってくれます。元の巣から



数百m以内に新しい巣を作るようで、自然巣の

あるお墓の10mほど近くに設置します。日本

ミツバチの捕獲の確率は30%ほどらしく、で

も今回のように巣が近くにあれば確率はさらに

高くなりまので、ちょっと期待していました。

そしてその1週間後、出荷作業に追われている

と、ミツバチが1匹、作業場にブーンとやって

きて、そのすぐ後に、父から「入ったぞ!」と

携帯が鳴りました。たまたま作業場に迷い込ん

だのか、「入ったよ」と知らせにやってきたの

かそんな不思議なこともあり、なんと捕獲成功!



捕獲できた巣箱はすぐに近くに用意した場所に

移動します。時間が経ってから移動するとミツ

バチがもとの場所に戻ってしまうので。また分

蜂する可能性があるので、同じ場所でまた捕獲

できますが、今年は巣箱が一つしかないのでこ

れで終了。でも来年またここで捕獲できる可能

性は高いです。あとはミツバチが巣を作ってく

れるので特に何もしません。巣箱に出入りする

ミツバチ、見ているだけでも飽きません。

ミツバチ(6)

巣箱を置いているだけでは捕獲も難しく、

「ラン」と「蜜蝋」を利用して呼び寄せ



ます。東洋ランの一種「キンリョウヘン」

で、この花の香りには特殊な作用があり、

ミツバチを誘引するには絶大の効果があ

るようです。「誘引欄」「ミツバチ欄」

とも言われています。ネットで買いまし

たが、株分けして今後増やしていく予定。



この花を巣の横に置くだけでミツバチが

寄ってきます(写真撮り忘れましたがす

ごかったです)。集まりすぎて花が痛ん

で枯れてしまうので網を被せておきます。



蜜蝋は巣の材料で、ミツバチは以前に巣

を作った場所を好んでまた巣を作る習性

があり、巣箱に蜜蝋を塗ることで「巣の

匂い」を感じ、その香りに誘われ、安心

して巣を作るようです。巣箱一個、蜜蝋、

ラン、なんとか捕獲の準備ができました。

ミツバチ(5)

地域によりますが、本格的な分蜂時期は4月

中旬〜6月中旬、これに間に合うように捕獲

を目指そうと、全く経験なしのど素人ですが

(父は西洋ミツバチの経験あり)、ネットか

ら情報を集めてにわかに勉強しました。こち

らのサイト、初心者にはとてもわかりやすく



助かりました。まずは、巣箱作りからです。

巣箱にもいろいろなタイプがあるようですが

一般的な「重箱式巣箱」を作りました。重箱

のように同じ大きさの箱が積み重なっていま



す。ミツバチの巣は天井部から下へ下へと作

られ、巣の成長、大きさに合わせて箱を下に

継ぎ足していきます。蜂蜜は巣の上の部分に

貯まり、育児は巣の下の部分で行われます。

採蜜するときは、蜂蜜の貯まっている最上段

の箱(巣)だけを抜き取り、ミツバチや幼虫

はそのまま生かします。2段目より下の巣は

継続することができます。なるほど。

ミツバチ(4)

日本ミツバチを飼うといっても、購入する西

洋ミツバチと違って、基本的には野生のもの

を捕獲するところからスタートします。なの

で巣箱を置く場所周辺に生息していることが



大前提となります。今回はお墓にできた自然

巣が見つかっていますのでこれを狙います。

春になると産卵が盛んになり、巣内はハチで

いっぱいになります。日本ミツバチはこの時

期に分蜂(ぶんぽう)という行動をとります。

新女王バチが産まれる前に旧女王バチが巣箱

の中の約半分の働きバチを連れて新しい巣を

作るために新天地を求めて飛び出します(も

との巣は新しい女王蜂が引き継ぐ)。この分

蜂(巣分け)によって巣の数を増やし、種と

して存続していきます。日本ミツバチの捕獲

は通常、この分蜂時期を狙って、空の巣箱に

呼び寄せて捕獲します。

ミツバチ(3)

いろいろ参考に基本的なこと書きますが、日本

ミツバチは日本でただ一種の在来種ミツバチで、

日本に古来から生息し、自然に住んでいる野生

の昆虫です。全国の山野に広く分布しています。

昔は各地で民家の軒先などで伝統的な養蜂がお

こなわれていました。一時的に巣箱で飼育され、

また山野に戻ることを繰り返しています。明治

時代に蜂蜜を商業的に大量生産できる(日本ミ

ツバチの5倍以上の蜜が採れる)西洋ミツバチ

が輸入されてから、飼育のしやすさ、生産性の

良さから、現在、養蜂されているミツバチ、販

売されている蜂蜜のほとんどが西洋ミツバチを

利用したのものです。昨今、世界で西洋ミツバ

チが大量に死んだり失踪する現象が起こるなど、

ミツバチの異変、減少、不足が社会問題となっ

ています。このようなことからも、日本ミツバ

チが見直されて、趣味で飼ったり、保護したり、

自家用に蜂蜜を採ったりする人が増えていると

のこと。地元でも始められた方がおられます。



日本ミツバチはとっても温厚な性格でほとん

ど人を刺しません。飼育といっても特別な技

術や道具も必要なく、管理や世話もほとんど

しなくてもよく、逆にかまいすぎるとすぐに

逃亡してしまう、ほったらかしがよいみたい

です。自然にいる昆虫なので病気にも強く、

巣箱という環境さえ用意すれば、あとはミツ

バチに任せておけば自然のままに巣をしてく

れます。「放任養蜂」とも言われています。

逃げることもあり、蜂蜜の採れる量も少な

い(年に一回ほどしか採れない)ので商業養

蜂には向いていません。私の場合、とりあえ

ず保護、上手く飼育ができて、蜂蜜が採れた



らいいなぁって感じです。単一の花から集中

的に集める性質がある西洋ミツバチとは違い、

日本ミツバチは春から秋まであらゆる花から

蜜を集めるため「百花蜜」とも言われ、季節

や地域によって味、香り、色が異なります。

滋養や栄養価も高く、高級品として販売され

ています。ミツバチが行動する範囲は巣箱か

ら2キロ以内、ワサビや周辺の何種類もの花

蜜がブレンドされた蜂蜜は、まさにこの土地

ならではのある意味とっても貴重なものです。

ミツバチ(2)

昔は品種を育成するために、多数株の中から優れた

株を選抜し、ワサビ田に設置した採種ハウス(周辺



の株から花粉を運んでくる昆虫を防ぎ、花粉が混ざ

らないように網室にして隔離する)に移植し、優れ

た株同士で交配をさせて種を採っていました。ハウ

スの中には花粉を媒介してくれる昆虫がいませんの

で、受粉させるためにハウス内に巣箱を置いて西洋

ミツバチを放します。このようにミツバチを利用し

ないと僅か4%程の種しかできず、利用すると90

%のできになる、と資料にもあります。このことか

らもミツバチなどの昆虫がいなくなると種はできな

い、これワサビに限らずの話しです。ワサビの品種



はこのような選抜、交配を何代も繰り返して育成、

維持してきました。ワサビの育種も、西洋ミツバ

チの飼育も大変な手間がかかりますので、平成4

年でやめて、現在は、選抜、移植、一箇所に集め、

網室による隔離はせず、日本ミツバチなど自然の

昆虫に任せています。前置きが長くなりましたが、



わが家は昔からワサビの交配用に西洋ミツバチを飼

っていたんです。子供の頃は屋敷周辺にたくさん巣



箱があって、寄ってくるスズメバチを父が退治した

り、私もミツバチに足を刺されたり、ハチミツの味



など、いろいろな記憶が残っています。網室に置く



専用巣箱、ハチをおとなしくさせる燻煙器、回転さ



せてハチミツを絞り出す遠心分離器など、いろいろ

な道具も残っています。今回は野生の日本ミツバチ

なので飼育法もまた違いますが、子供の頃に見てき

たワサビ田でのミツバチの飼育、そして採れだろう

蜂蜜が味わえると思うと、わくわくするのです。

ミツバチ(1)

森のドングリ、草木の実、畑の野菜や果物など、植物や

作物が子孫を残す、種子の受粉にミツバチはなくてはな



らない存在です。ワサビは他家受精し、ほぼ訪花昆虫に

よって花粉が運ばれて結実します。春になるとワサビ田



は独特な花の香りに包まれ、どこからともなく無数の昆

虫がやってきて、日本ミツバチのブーンと重く低い羽音



もあちこちで響き、花から花へ移動し、花粉も飛び交い



ます。ミツバチの働きで、よく実った、安定した種採り

をもたらしてくれます。飼育のきっかけとなったのはお

墓の自然巣で、野生のミツバチは広葉樹の木の洞、民家



の床下、屋根裏、そしてこのようなお墓の中にも巣を作

ります。うちのお墓ではないのですが、ワサビ田のすぐ

近くにこんな巣があって、ここからもやって来ていたと



はこの春まで知りませんでした。お墓の持ち主は以前か

ら巣の駆除を試みておられたようですが、うまくいかず

にお困りでした。そこで駆除される運命にあるのなら、

うちで「保護」させて下さいとお願いして、捕獲を試み

ることになりました。この機会にかわいがって、日本ミ

ツバチのことちょっと学んでみたいと思います。

神鍋野菜



北壁ゲレンデのすぐ近くに個人で借りられる



市民農園があります。黒ボク土でおいしいのが



できると言っておられました。おすそ分けとい



いうかとても安くで販売もされています。ナス、



ゴーヤ、枝豆、ピーマン、きゅうり、ブロッコリー、

マクワウリ、玉ねぎ、じゃがいも、ニンニクなど。



道の駅で小玉スイカ(赤と黄)も買いました。この夏、

3回目です。今年はとても甘いと言っておられました。



安いし、皮が薄くてぎりぎりまで甘いです。