小池山



ワサビ田を半分囲うように西側に位置する「山」。

ワサビ田の湧水は県内一の水量であると言われる

「十戸の清水」の5つの水源地のひとつで、昔から

「小池」と呼ばれています。300年前まで、ここは

沼地だった、小さな池のような場所だったことから

「小池」と呼ばれ、周りの山も「小池山」と呼ばれて

います。小池山の根元一帯から湧水が湧き出し、

ワサビ田から村中に流れています。

ワサビ田を中心に、はたけ、清水川、川いと、住まい、

蔵、作業場・・・・農家の空間にはいろいろありますが、



昔に比べると「山」から遠ざかっている、40年前に

植えられた杉が大きく成熟、全体的に暗くなっており、

この小池山をどうしていけばよいのか、山を目の前に

いつもワサビ田からそう思っています。

小池山の左手は竹林。こちらも繁殖しています。



昔の「日覆い」は、竹材やカヤを利用して作られ、

全て自然素材、竹林は「竹採り場」、小池山では

カヤも栽培して、「カヤ採り場」と呼ばれていました。

竹林の中には「石採り場」もあり、大きな溶岩の塊

(神鍋山の噴火によってできた)もあり、先人達が

溶岩を砕き(写真の玄能を使って)、沼地だった

ワサビ田は小池山の溶岩を使って築かれました。



昔の写真からもわかるように、ワサビ田、暮らしに

必要なものは全てその周り、この土地の自然から

手に入れ、小池山も生かされ、密着していました。

その労力と手間は今では考えらませんが。



竹林の裏手にはわが家の先祖代々の墓もあり、

墓掃除、墓参りでは必ず山に入りますが、それ

以外で入ることはあまりなく、先日の新聞にも、

エネルギー、燃料の地域自給の話のなかで、

「日本人は木を使うのが下手になった」とあり、

まさに自分もその一人なんだと・・・・。



ワサビは水が命、水の源となる山、だからワサビ

農家として山を守りたい、それもひとつですが、

ただ漠然とした遠くの大きな山でもなく、目の前の

小池山から、父の山仕事から、父の話から、昔の

写真から、ワサビや畑に入れる落ち葉(腐葉土)、

ドングリから、小池山の大美濃柿から、きっかけは

何でもいいから「山」に入っていきたいと思います。